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2016.01.06
皮膚腫瘍の摘出手術
こんにちは。みなさん年末年始はゆっくりできましたか?
私も少しだけ実家に帰り、ももとへちゃに会ってきました。
今年もなるべくブログをアップできるよう心掛けます!
さて今回は、猫ちゃんの皮膚にできた扁平上皮癌の摘出手術について。
今回の猫ちゃんは推定二十歳を超えた高齢猫ちゃんで、頚部に発生した傷が1年以上も治らないということで来院されました。
初めは確かに外傷か皮膚炎のような病変にも見えたのですが、少しずつ見た目大きさともに変化していき、腫瘍も疑えるのではないかということで摘出手術を実施することになりました。
術後、病理組織検査の結果は、「扁平上皮癌」でした。
猫の扁平上皮癌は皮膚にできる一般的な腫瘍で、今回は頚部に発生しましたが、耳、顔面、眼瞼などによくみられます。
扁平上皮癌は紫外線による刺激が要因の一つと考えられており、毛色の薄い猫ちゃんや白猫ちゃん、被毛の一部が白い猫ちゃんは扁平上皮癌を発症する可能性が高くなると考えられます。
そして、扁平上皮癌は他の腫瘍性病変と同様に腫瘤(しこり)を形成する場合もありますが、それだけではなく、びらん・潰瘍を形成する場合もあります。その場合、皮膚炎や擦り傷のように見えてしまうこともあるため注意が必要です。
今回の猫ちゃんは高齢ではありましたが、全身麻酔下の手術を頑張って乗り切ってくれました。
また、手術までに長期間経過していましたが、きれいに切除することができました。
ずっと皮膚の違和感に悩まされていたでしょうが、やっとすっきりしたことでしょう。
これからも元気に長生きしてくれるといいですね。