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岐阜県岐阜市の犬・猫の診療ならみのわ動物病院「下部尿路疾患の院内セミナー」ページ


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2015.12.02

下部尿路疾患の院内セミナー

先日、下部尿路疾患に関するフードの院内セミナーを行いました。

スタッフみんなでしっかりお勉強しました。

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ですので、今日は下部尿路疾患について。

尿は腎臓でつくられると尿管を通って膀胱にたまり、尿道から外に出ます。下部尿路とは膀胱から尿道の出口までの部分で、この部分で生じる病気を下部尿路疾患と呼んでいます。この疾患には、膀胱炎や尿道炎、膀胱と尿道における尿石症などが含まれます。

これからの季節多くなってくるのが猫ちゃんの下部尿路疾患です。

症状は、頻繁におしっこに行く、トイレにいつも以上に長くいて少しずつしかおしっこをしない、トイレ以外のところにおしっこをしてしまう、おしっこに血が混じる、おしっこが出ない、などです。

猫ちゃんでは特に、特発性膀胱炎と呼ばれるものが多くみられます。

これは原因不明がよくわからない膀胱炎で、環境中のストレスが関係していると考えられています。

たとえば、トイレの位置や数、トイレ砂の種類の変化、食事の変化、他の飼育動物の存在、家族の方の留守や来客など、様々なストレスとなり得る要因が影響している可能性があります。

次いで多いのが尿石症です。

太ってあまり動かなくなったり、季節の変化などで水を飲む量が減ることで尿が濃くなり、結石ができやすくなってしまいます。寒くなると飲水量が減ってしまう子が多いため冬によくみられます。

さらに雄の猫ちゃんは、非常に尿道が細いため、尿道栓子(炎症によってこぼれ落ちた細胞や白血球、赤血球、結晶などが固まってできた栓)や結石により尿道閉塞を起こしてしまう場合があるため注意が必要です。

この場合は急性腎不全を起こし、命にかかわることも少なくありません。そのため尿道閉塞を起こした場合、カテーテルを用いて閉塞を解除する緊急処置が必要となります。また、何度も閉塞を繰り返す猫ちゃんは、尿道を広げる手術をすることもあります。

 

これらの疾患では、環境中のストレスをなるべく少なくしてあげたり、適切なフード食べさせてあげたりといった治療が大事になります。

おしっこで気になる症状がみられる場合は、ひどくなる前に早めに動物病院で相談してくださいね。