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岐阜県岐阜市の犬・猫の診療ならみのわ動物病院「慢性腎臓病」ページ


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2018.05.05

慢性腎臓病

こんにちは!

ここしばらくまりもさんのブログへの参加を控えていましたが、実は現在まりもさんは慢性腎臓病の治療中なんです。

決して治る病気ではありませんが、しっかりと治療を受けてくれています。

今回、皆さんにも慢性腎臓病について知っていただけたらと思います。

腎臓の役割は体中を流れる血液を濾過して尿をつくることです。その中で必要な水分、電解質、酸塩基を調節し、不要な老廃物を排泄しています。

腎臓の機能が低下するとこれらの働きに問題が生じ、脱水を起こしたり、老廃物をうまく排泄できなくなったりします。また、高血圧や貧血といった症状を起こすこともあります。

慢性腎臓病は、ゆっくりと進行していきます。特に猫ちゃんでは年齢を重ねるとみられることが多い病気です。

〇慢性腎臓病でみられる症状

・多飲多尿(水をよく飲み尿の量が増える)、脱水:腎臓には「尿を濃縮」する機能があります。この機能が低下することで、つくられる尿が薄くなり、その結果尿の量が増えてしまいます。尿量が増えれば体の水分は減ってしまいますので、それを補おうとたくさん水を飲むことになります。しかし、尿量が上回るため脱水していってしまいます。

・食欲低下、体重減少、嘔吐:老廃物である窒素化合物の排泄が不十分となり、体に溜まってしまいます。これによって、気分が悪くなり食欲が低下し、体重が減少してしまいます。

・貧血:腎臓は血液中の酸素の状態をモニターしており、赤血球が少なく酸素が足りなくなると造血に作用するエリスロポエチンというホルモンを産生します。腎臓が悪くなると、このエリスロポエチンの産生が減少し、赤血球をつくる能力が低下するため貧血を起こしてしまいます。

・高血圧:慢性腎臓病になると高血圧を引き起こします。高血圧はさらに眼や脳、心血管系に異常をきたしてしまう場合があります。

〇慢性腎臓病の治療

・脱水の補正、水分補給:入院での静脈点滴や、通院・自宅での定期的な皮下点滴を行います。

・食餌療法:腎臓に負担をかけないようタンパク質やリン、ナトリウムなどの調整された食餌を与えます。

・内服薬:降圧剤や吸着剤などを与えます。さらに最近では血流の回復や慢性炎症を抑えるといった効果のある薬も使われるようになりました。

・嘔吐などに対する対症治療

慢性腎臓病は治してしまうことのできる病気ではありません。なるべく早期に発見して対策を練ってあげることが大切です。そうすることで快適な時間を多く過ごさせてあげられるでしょう。

気になる症状はすぐに動物病院に相談してくださいね。