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岐阜県岐阜市の犬・猫の診療ならみのわ動物病院「犬のニキビダニ症」ページ


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2016.12.01

犬のニキビダニ症

こんにちは!

いよいよ今年も残すところ1ヶ月になってしまいました。

ほんとあっという間ですね(^-^;

 

先日、他院で長期間、アレルギーの治療をしているというわんちゃんが来院されました。

そのわんちゃんはここ最近さらに皮膚が悪化し、とくに四肢は腫れあがり出血している状態で、治療をしていてもなかなか良くならないとのこでした。

そこで皮膚の検査をしたところ、こんなものが出てきました・・・。

IMG_0171

これはニキビダニと呼ばれるダニです。

 

ということで、今回はニキビダニ症のお話をします。

ニキビダニは、人間を含むほ乳類の皮膚に常在している、体長0.3㎜前後のダニの一種で、他にアカラス、デモデックス、毛包虫など様々な呼び名を持っています。

ニキビダニは、生後間もない子犬が母乳を飲むときに母犬から移行し寄生します。

したがって、健康な犬の毛包内にも少数寄生していますが、様々な要因で過剰増殖することによって皮膚炎を引き起こし、ニキビダニ症を発症します。

ニキビダニ症を発症する原因は、宿主の免疫力の低下で、若齢のわんちゃんでは免疫機能が未発達であることから、高齢のわんちゃんでは老化からの免疫機能の低下から生じます。

成犬から高齢のわんちゃんではその他に、腫瘍や副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、免疫機能を抑制する作用を持つ薬剤の長期投与などが原因となります。

ニキビダニ症の症状は、局所的な小さな脱毛や落屑(フケ)、発疹がみられる軽いものから、全身性に強い皮膚炎を起こし、出血しただれたような状態の重症化したものもみられます。

ニキビダニは肉眼では見えないため検査をし診断する必要があります。検査は、皮膚表面を削り取るように擦る「皮膚掻爬検査」がよく行われます。

中にはなかなか発見することができない場合があり、皮膚の一部を切除する皮膚生検を行い、病理組織学的検査を実施することもあります。

 

そして、ニキビダニ症の治療ですが、駆虫薬を使います。また、ニキビダニ症のわんちゃんは、多くの場合、細菌性の皮膚炎を併発していることが多く、全身性の抗生物質の投与も必要とします。さらに、皮膚、毛包内の環境を改善するために、シャンプー療法も大切です。他疾患が原因となっている場合は、そちらの治療も同時に行います。

これらの治療は数か月以上と長期間を要し、また再発することも多くみられますが、今回もあきらめずにわんちゃん、ご家族、病院、一丸となってがんばって治療していきたいと思います。