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2016.10.03
新しい腎機能検査【SDMA】について
こんにちは!
今日は今年から検査可能になったSDMA(Symmetric DiMethyArgineine)という新しい腎機能バイオマーカーについて。
SDMAは対称性ジメチルアルギニンという物質で、たんぱく質の過程で血液中に放出され、そのほとんどが腎臓から濾過され排泄されます。
したがってこの物質を測定することは、腎臓から濾過し排泄する機能(糸球体濾過率)を知る指標となります。
ご存知の方も多いと思いますが、これまで腎臓の異常や腎臓病の進行度を確認するために、血液検査ではBUN(尿素窒素)、Cre(クレアチニン)というものを測定していました。これらの検査は食餌や筋肉量、その他の疾患などの影響を受けることがあり、解釈に困ることがありました。
このSDMAは筋肉量の影響など受けず、また、Creが腎機能の75%喪失するまで上昇しないのに対し、SDMAは平均40%喪失した時点で上昇します。このため、猫では平均17ヵ月、犬では9.5ヵ月早く腎臓病を発見できる可能性が考えられています。
SDMAで全てが分かるわけではありませんが、これを測定することで、慢性の腎臓病を今までよりさらに早期に発見できる可能性があります。
そうすれば、早期にモニタリングや治療を開始でき、なるべく元気に、そして長生きしてもらえるよう手助けをしてあげれると思います。
検査は通常の血液検査時と同じような採血で行えますので、測定を希望の方はご相談くださいね。