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岐阜県岐阜市の犬・猫の診療ならみのわ動物病院「睾丸の腫瘍」ページ


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2015.09.07

睾丸の腫瘍

こんにちは!先週、今週と曇りや雨の日ばかりですね。気温も下がってきて過ごしやすくはなってきましたが、昼と夜の寒暖差がありますので、体調を崩してないでしょうか?

 

さて、先日行った腹腔内潜在精巣(陰睾)の腫瘍の摘出についてです。

このわんちゃんは、触診上で右側の精巣が陰嚢に降りてきていませんでした。

超音波検査では腹腔内に赤ちゃんのこぶしくらいの大きさの腫瘤(しこり)があり、腫瘍化してしまった精巣が疑われましたので、

去勢手術と開腹下で腫瘤の摘出手術を行いました。

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やはりこの腹腔内腫瘤は精巣が腫瘍化したものでした。(左:腫瘍化した精巣 右:正常な精巣)

 

通常、出生後のオスの精巣は、陰嚢内に降下しますが、今回のわんちゃんのように降下せずに腹腔内や鼠径部の皮下にとどまってしまうことがあります。

この状態を潜在精巣、停留睾丸、陰睾などと呼んでいます。

このようなわんちゃん達は精巣腫瘍の発生率が明らかに高くなってしまいます。

精巣腫瘍には、セルトリ細胞腫、精上皮腫、間質細胞腫などがあり、ホルモンを分泌によって脱毛や皮膚炎をおこしたり、乳房が発達するなどの雌性化がみられるなどの症状がみられる場合があります。しかし、腫瘍が腹腔内にあるため、腫瘍が大きくなって症状を発現しなければ、発見することが遅れてしまうことも多いです。

潜在精巣の場合でも、腫瘍化する前に去勢手術をしてあげれば心配ないため、おうちのわんちゃんがまだ去勢をしていないのであれば、きちんと2つあるか確認してみてくださいね。