ブログ
2015.05.11
膀胱腫瘍の手術
先日あった膀胱腫瘍のわんちゃんのお話をさせていただきます。
このわんちゃんは、3週間くらい前から排尿の時に血液が混じる症状が続いているということで来院されました。
尿検査では膀胱炎の所見が認められ、超音波検査では膀胱内に腫瘤が見つかりました。
おそらくこの腫瘤によって出血の症状が生じていると考えられたため、後日膀胱内の腫瘤摘出手術を行いました。
腫瘤は病理組織学的検査の結果、良性腫瘍で完全に切除できました。
そして、手術後血尿も治まってくれました。
今回は良性腫瘍でしたが、膀胱に発生する腫瘤の多くは悪性腫瘍で、その中でも移行上皮癌が多いと言われています。
移行上皮癌は浸潤性が高く、転移する可能性が高い腫瘍で、発生した部位などから外科的な治療が不適応なことも多い厄介な腫瘍です。
症状だけでは膀胱炎と区別がつきにくいため、再発を繰り返す血尿や頻尿がみられる場合は、超音波検査など1歩進んだ検査をしてあげましょう。