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2014.02.06
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
現在当院でも何匹かのわんちゃんがこの病気で通院されておりますので、今回はこの病気について。
副腎皮質機能亢進症はクッシング症候群とも呼ばれ、犬の内分泌(ホルモン)性疾患の中でもよくみられる疾患です。
副腎は左右の腎臓の近くにあり、副腎皮質モルモンを分泌する内分泌器官です。そのホルモンの中でコルチゾールというものが過剰に分泌されてしまうことで様々な症状を引き起こした状態を、副腎皮質機能亢進症と言います。
副腎皮質機能亢進症の発症の原因には、次の 3 つがあるといわれています。
下垂体性:コルチゾールは、下垂体からの命令により調節されています。その下垂体が腫瘍になってしまうことにより、必要以上の過剰な命令が出されることで、副腎から過剰なコルチゾールが放出されてしまいます。
副腎腫瘍:副腎自体の腫瘍により、下垂体からの命令に関係なく過剰なコルチゾールを放出してしまいます。
医原性:治療のためにステロイド薬(副腎皮質ホルモン剤)を長期間、多量に投与した場合などに発症します。
症状は、
・ 多飲多尿(水を飲む量、尿の量が増える)
・ 食欲が異常に増加する
・ 腹部膨満(お腹が膨らむ)
・ 皮膚の非薄化(皮膚の厚さが薄くなる)
・ 痒みを伴わない左右対称性の脱毛
・ 皮膚の色素沈着
・ 筋力の低下
など様々です。多くの場合は、ある症状はみられるが見た目には元気という状態ですが、進行すれば発作やふらつきなどの神経症状など重篤な状況に陥ってしまうこともあります。
治療は、ホルモンの量を調節する内科治療を中心に、腫瘍の場合は外科治療や放射線治療などを行います。予防法はないため、これらの症状が見られた場合は早めに獣医さんにご相談ください。