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2019.01.24
股関節脱臼
今日は犬の外傷性の股関節脱臼のお話。
股関節脱臼は、大腿骨(太ももの骨)の骨頭が骨盤の寛骨臼から外れてしまった状態になることです。外傷性の股関節脱臼は、交通事故や落下などによって起こります。
今回のわんちゃんは、障害物にぶつかってしまい、その後から左後肢を挙上するようになってしまいました。
来院時の触診では股関節部に激しい痛みが認められ、レントゲン検査を行ったところ、左後肢の股関節脱臼が確認されました。
股関節脱臼の治療には、非観血的整復(手術をしないで整復する方法)と観血的整復(靭帯再建や大腿骨頭切除など手術による方法)があります。
脱臼後それほど時間が経っていない場合は、非観血的に整復を試みることでそのまま落ち着く可能性があります。したがって、今回非観血的整復を行いました。
この方法では十分な鎮痛をして、全身麻酔下で実施します。そして整復後はテーピング包帯をし、元の位置に戻った状態で2週間くらいの固定を行います。
今回このわんちゃんもこの非観血的な方法で整復し、一か月以上経過した現在でも再脱臼することなく通常の歩行ができるようになりました。
散歩の大好きな子でしたので、再び飼い主さんと一緒に散歩ができるようになって本当に良かったですね(^^)