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2018.12.06
猫の会陰尿道造瘻術
こんにちは!
今日は先日あった雄猫の会陰尿道造瘻術について。
雄猫の会陰尿道造瘻術は、陰茎の細い尿道部分を陰茎ごと切除し、骨盤の太い尿道部分を会陰部の皮膚に縫い付け、そこから排尿できるようにする手術です。雄猫の下部尿路疾患において尿道閉塞を起こしてしまい、それに対し内科治療を実施するが良好な改善がみられない場合や尿道閉塞を何度も再発してしまう場合にこの手術が行われます。
今回のねこちゃんは尿石症の膀胱炎症状に対し検査、治療を始めたばかりだったんですが、大きな結石によってすぐに完全に尿道閉塞を起こしてしまいました。
陰茎自体を触診すると尿道内に塞栓を起こしている大きな結石が分かるような状態で、全く閉塞を解除することは不可能でした。さらにこの結石は内科治療では溶解することが困難なものだと事前の検査で分かっていました。こういったことから会陰尿道造瘻術を実施することになりました。
尿道を切開すると大きな結石が出てきました。
当院では、従来の手術に比べ、術後の合併症である造瘻部の狭窄の可能性がより少ないとされている包皮粘膜と尿道粘膜を縫合する術式で行っています。今回もこの術式手術を実施しました。
そして術後何の問題もなく排尿できています。良かったですね。
一般的にはこれからねこちゃんの下部尿路疾患が多くみられる季節です。
ねこちゃんのいつもと違うトイレでの行動に注意してくださいね。