ブログ
2018.11.19
新しい薬「犬膵炎用抗炎症剤」
こんにちは!
今日は新しく発売された薬の紹介です。
それは犬の膵炎急性期用抗炎症剤「ブレンダZ」です。今まで膵炎に対しては、輸液や疼痛管理、制吐剤の投与などの対症治療がメインでした。したがって、このブレンダZは膵炎急性期に対し効能を持つ初めての薬剤なんです。
膵臓での炎症が広がっていくとき、白血球が集まってきて活性化し、血管内皮細胞に接着、そして炎症部位へ浸潤・遊走という流れがみられます。ブレンダZはこの白血球の活性化を阻害し、血管壁への接着、炎症部位への浸潤・遊走を抑制します。これによって炎症の拡大が抑えられ、膵炎症状を改善するということです。
つい先日早速使用する機会がありました。そのわんちゃんは激しい嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失で来院されました。かなり状態が悪く、ぐったりとしている様子でした。すぐに治療を開始し、初日からこのブレンダZの投与を開始しました。3日目くらいから状態の改善が認められ、その後無事退院することができました。
今回のわんちゃんの膵炎治療において、どれほどこの薬剤が効果を発揮したか比較することはできませんが、命の危険性のある急性膵炎に対しこの治療法を検討してもいいと感じています。
膵炎の治療方法についてお悩みの方はぜひご相談ください。