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2018.11.02
上部気道疾患「喉頭麻痺」
こんにちは!
先日、呼吸器を専門に診療されてみえる先生のセミナーに参加してきました。これまでの復習、そして新しい知識の更新ができました!
今回はそれに関連し、喉頭麻痺という病気についてお話したいと思います。
喉頭麻痺は、気管の入り口に位置する喉頭の披裂軟骨と声帯ヒダの外転不全による呼吸不全です。難しいですよね…。簡単に言うと気管の入り口部分が麻痺してうまく開かず呼吸しにくくなってしまう病気です。
喉頭麻痺には、先天性と後天性のものがありますが、一般的な喉頭麻痺は後天性の特発性喉頭麻痺です。後天性特発性喉頭麻痺は、徐々に進行する全身性の末梢神経障害の一つであると考えられています。ラブラドールレトリバーをはじめとするレトリバー種などの大型犬で好発し、高齢での発症が多くみられます。
症状は、吸気性の呼吸障害で、吸気音の増大、喘鳴、発咳、鳴き声の変化、運動不耐性、チアノーゼ、呼吸困難などがあげられます。呼吸状態が悪化すると喉頭部分の炎症や浮腫が起こり、さらに呼吸状態の悪化がみられます。
治療法は、披裂軟骨側方化術(Tie back)と呼ばれる手術を行うことです。この手術では気管の入り口の披裂軟骨を縫合糸を用いて側方に牽引することで気道を広げます。
実際に私自身も、何度かこの手術をしたことがあるのですが、この手術の後多くの場合、明らかな呼吸状態の改善がみられました。
今回のセミナーでは、新しい術式についても詳しく知ることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました!