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2018.08.30
歯原性嚢胞の摘出手術
こんにちは!
今回は先日実施した歯石除去の歯科処置時に発見した歯原性嚢胞のわんちゃんについて。
まず嚢胞というのは、上皮細胞に内張された空洞に液状内容物を入れた袋状の構造物のことを言います。そして歯原性嚢胞は、顎骨に発生する嚢胞で、歯の発育に関連して生じる比較的稀な病気です。今回のものは未萌出歯(生えてこなかった歯)が嚢胞内にみられたため、これが原因になっていると考えられました。
歯原性嚢胞は進行すると顎骨を溶かし骨折につながることもあるため、積極的な治療を行うことが望まれます。治療は外科的な未萌出歯の抜歯および嚢胞の摘出になります。
今回のわんちゃんも無事に嚢胞壁の摘出を行うことができました。今のところ再発もなく、良好な経過をたどってます。
歯原性嚢胞は早期の診断と適切な治療が必要です。歯肉に気になるしこりを見つけたらきちんと動物病院に相談しましょう。