各種予防


混合ワクチン

ワクチンとは、各種病原体の毒素を弱めた「抗原」のことです。 ワクチン(抗原)を注射することでこの「抗原」に対抗する「抗体」が体内で新たにつくられます。

接種時期

子犬、子猫は、生後授乳によって病気に対する「移行抗体」を母親から受け、いろいろな病気に対して免疫力を発揮しますが、この移行抗体は徐々に(生後42日~120日)なくなってしまいます。そこで、移行抗体がなくなる頃にワクチンの接種を行います。

しかし、移行抗体が多量に体内に残っている場合、ワクチン接種しても十分に抗体が作られません。

したがって、子犬、子猫の頃は、複数回(2~3回)の混合ワクチン接種を行い、確実な免疫を獲得できるようワクチンプログラムを検討します。

⇒生後6~8週齢頃に初回接種を行い、その後3~4週間おきに複数回の接種を行います。

また、ワクチンによって得られた抗体は徐々に減少していくため、大人になった後も、年に1度の追加継続接種が必要となります。

混合ワクチンで予防できる感染症

犬ジステンパー
発熱し、咳、鼻水といった呼吸器症状や嘔吐、下痢といった消化器症状、さらに麻痺や運動失調といった神経症状を引き起こします。致死率の高い病気です。
犬パルボウイルス感染症
激しい下痢や嘔吐を引き起こします。体力や免疫力の弱い子犬や老犬に感染することが多く、伝染力が非常に強く、致死率の高い病気です。
伝染性肝炎
肝機能不全や出血症状、目の白濁を引き起こします。子犬が感染し、重篤な場合死亡することもあります。
アデノウイルス2型感染症
咳、くしゃみなどの呼吸器症状を引き起こします。他のウイルスとの混合感染により症状が重くなります。
犬パラインフルエンザ感染症
咳などの呼吸器症状を引き起こします。混合感染や二次感染により症状が重くなります。

5種混合ワクチンには、上記の5つが含まれています。

わんちゃんの生活環境や飼育方法によっては、上記の5つに加え、下記の感染症も含む8種混合ワクチンの接種をお勧めいたします。

犬コロナウイルス感染症
病原性は弱く、成犬が感染しても、多くは症状が現れない不顕性感染です。症状が現れたとしても通常は軽度の下痢や嘔吐がみられる程度です。しかし、子犬が感染した場合、症状が強く現れることがあります。さらに犬パルボウイルスや腸炎を引き起こす細菌などと同時に感染した場合、命にかかわることがあります。
犬レプトスピラ感染症
レプトスピラという細菌が感染することによって肝障害や急性腎不全などを起こす病気です。レプトスピラ症は人獣共通感染症(ズーノーシス)でもあり、野生動物(主にネズミ)の尿によって水源や食物が汚染されることで、人にも感染することがあります。

猫ウイルス性鼻気管炎
鼻汁やくしゃみなどの呼吸器症状や角膜炎、結膜炎を引き起こします。
猫カリシウイルス感染症
鼻汁やくしゃみなどの呼吸器症状がみられます。そのほか、口のなかや舌に潰瘍ができ、よだれが多くなったり、口臭がきつくなったりします。さらに痛みのためにごはんが食べれらなくなることもあります。
猫汎白血球減少症
嘔吐、下痢、白血球減少などを起こし、急性経過を経て死亡することもあります。特に子猫では注意が必要です。

3種混合ワクチンには、上記の3つが含まれます。

ねこちゃんの生活環境や飼育方法によっては、上記の3つに加え、下記の感染症を含む5種混合ワクチンの接種をお勧めいたします。特に外出するねこちゃんには、5種混合ワクチンの接種をご検討ください。

猫白血病ウイルス感染症
白血病やリンパ腫、貧血、白血球減少症などを引き起こし、免疫力が弱まることで感染しやすくなります。感染した猫は、発病すれば多くが死亡してしまいます。
クラミジア感染症
鼻汁、くしゃみ、咳といった呼吸器症状や結膜炎を引き起こします。

どのワクチンを接種すべきかお悩みの方は、獣医師にご相談ください。

フィラリア症とは

蚊によって運ばれたイヌフィラリア(犬糸状虫)が体内に入りこみ、成長した虫が心臓や肺動脈に住みつくことによって、体中に血液を送り出す心臓や肺の働きが邪魔されてしまう病気です。

「乾いた咳をする」、「運動をいやがる」などの軽い症状から、腎臓や肝臓の働きまで影響が出ることで、より深刻な症状がみられるようになってきます。

予防

フィラリアが体内に入ってから心臓や肺の血管に移動する準備が整うまでに『2ヶ月』くらいかかります。この間でなければ予防薬で駆除できません。したがって、体内のフィラリアを全滅させる為に、1ヶ月に1度の駆虫という投薬のタイミングが定められています。

実際には、蚊の発生1ヶ月後の5月頃から、蚊がみられなくなった時期の1ヶ月後の12月上旬頃まで1ヶ月に1回予防薬を飲ませることになります。

予防薬には錠剤タイプ、チュアブルタイプ、滴下タイプなどご用意しておりますので、ご相談ください。

狂犬病

ワンちゃんの飼い主さんには、狂犬病予防法で「狂犬病ワクチン接種」と「登録」が義務づけられています。これらは当院でも受け付けておりますのでご相談ください。

ノミ・マダニ予防

ノミによって引き起こされる病気
ノミアレルギー性皮膚炎、瓜実条虫、貧血など
マダニによって引き起こされる病気
貧血、媒介性疾患(バベシア症、ライム病、リケッチアなど)

動物病院で処方しているノミ・マダニ予防薬は駆虫率が高く、安全性も高いため安心です。

予防薬には滴下剤、錠剤、チュアブルタイプがありますのでご相談ください。